桜木 紫乃
集英社
2013-01-04
さて、ラブホテルの廃墟が舞台に出てくるということもあって読んでみた。
正確には廃モテールだけど。
ラブホテルの「ホテルローヤル」を取り巻く7つの短編が収録されている。
どれも読みやすく、面白かったんだけど、「せんせぇ」だけもう少し突っ込んでほしかった。
妻と仲人もしてくれた上司の二人が20年間も体の関係があったことを知った教師と、父の弟と家を出た母・その翌日家を出た父をもつ女子高生の二人が「ホテルローヤル」で心中したことになってるけど、そこにたどりつく全然前で話が終わっちゃってる。
たしかに二人とも精神的ダメージを受けているけど、どのようにしてローヤルにたどりつき、どのようにして心中したのか。そこんところがほしかった。
まぁ単純な想像でもいいんだけどさ。
続いて「サクリファイス」シリーズの新作。
今回は新章突入で、舞台はおぼっちゃん大学の自転車部。
偶然が重なり自転車部へ入部させられた主人公が、たった数か月でインカレ優勝しちゃうくらい成長する話。
正直、サクリファイスの時ほどの衝撃もなく、あっけなく読み終わった。
確かに面白いし、すぐに読めてしまうんだけど、新鮮味があまり感じられず・・・。
今後のシリーズ化で期待。
さんざん宣伝してきたジャッジメント。
高校時代野球部の絶対的エースが 殺人容疑で逮捕。
控え投手だった主人公が弁護士として繰り広げる裁判青春ミステリー。
高校時代の描写と裁判の描写が交互にあり、テンポもいいから読みやすい。
多少描写に「??」と疑問に思うところもあるけど、青春ものが好きな人なら読めるかも。
自分が関係したというひいき目を除いても、なかなか面白かった。
東川篤哉シリーズはもう内容忘れたので省略。
「謎解き~」を最後に読んでよかった。あれを最初に読んでいたら他の作品は読んでなかったな。
尚、個人的には「館島」が一番好きで、「烏賊川市シリーズ」も読みやすくていいかな。
「謎解き~」はノーコメントで。